労働保険未手続事業一掃業務
労働者を一人でも使用する事業は、農林水産の事業の一部を除き、労働保険の成立手続等を行わなくてはなりませんが、中小零細事業を中心に未手続の事業が未だに多く存在しています。厚生労働省では、労働保険制度の健全な運営、費用負担の公平及び労働者の福祉の向上等を図る観点からその解消に積極的に取り組む必要があるとして、「労働保険の未手続事業一掃対策」を実施しており、その一環として「労働保険未手続事業一掃業務」を委託しています。
全国労保連は、この業務を令和6年度からの3年契約で、受託して実施しております。この業務は、労働保険加入促進業務などと名称が変わりつつも、昭和62年度以来一貫して受託しているもので、全国労保連にとっては一丁目一番地の業務です。
(参照:労働保険の加入手続がお済みでない事業場に対する手続勧奨業務の外部委託について)
特に、平成17年度からは、厚生労働省が職権の積極的行使等による未手続事業一掃対策を進めていますので、全国労保連ではこれと連携を強めた未手続事業への手続活動を行っています。
この手続勧奨活動は、全国労保連会長が委任した「労働保険未手続事業一掃推進員」が行っています。
この受託業務により行われた労働保険の成立手続は、令和5年度は約2万6千件、昭和62年度以来では約148万件に及びます。
なお、労働保険の成立手続を行わない事業主に対しては、国からの強制的な措置が講じられ、対応が大変になります。(参照:成立手続を怠っていた場合は)
労働保険未手続事業一掃推進員とは
労働保険未手続事業一掃業務では、全国労保連が任命した「労働保険未手続事業一掃推進員」(以下「推進員」といいます。)が、戸別訪問等により未手続事業の事業主等に対し、労働保険の手続勧奨及び制度の周知等を行っています。推進員が手続勧奨活動を行う際は、全国労保連会長が証明した「労働保険未手続事業一掃推進員証」と、厚生労働省労働基準局長が証明した「労働保険未手続事業一掃推進員証明書」を携行しています。
推進員の主な業務は、次のとおりです。
・労働保険に関する制度等の概要を解説したパンフレット(労働保険)等の配付及び説明
・成立手続の趣旨・目的の説明
・申請・届出等に関する義務等の説明
・雇用保険制度の適正な手続等に関する説明
・中小事業主等の特別加入制度の説明
・労働保険の成立手続に当たって必要となる関係諸帳簿の整備に関する指導
・労働保険事務組合制度の説明
労働保険事務組合とは
(画像をクリックすると厚生労働省ホームページが別ウィンドウで開きます。)
労働保険パンフレット
(画像をクリックすると詳細内容が別ウィンドウで開きます。)
労働保険の未手続事業発生防止のための周知・啓発事業(起業者セミナーへの講師派遣等)
未手続事業に対する勧奨活動により、未手続事業の解消は進んでいるものの、毎年多くの事業が廃止する一方、新規に事業が成立していることから、起業者に対し、労働保険制度の必要な知識を付与する等の啓発活動を行うことにより、未手続事業の発生の防止を図る厚生労働省の事業で、全国労保連が委託を受け、実施しています。
具体的には、商工会議所、地方公共団体などで主催する起業者セミナーに講師を派遣し、労働保険制度の知識、成立手続の必要性を起業者に周知しています。
ポスター:起業を目指す皆様 労働保険の知識は必須です!
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